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2006-12-14 [長年日記]

_ PukiWiki にケチつけたくなる気持ちは分かるけど

秘密結社UBE本部 Wikiは氏ね

記法については自分はよくできてる方だと思ってるのでこれは置いとくとして。

PukiWiki はすでに雑誌や書籍で扱うことが普通になっちゃったけど、内部の作り的には結構ダメな部類だと思う。それでも流行ったのは PHP というキャッチーな言語でほとんど class レスという、まるで Perl 4 時代の KENT CGI のような作りだから。つまり、チープ改造厨に受けたという要素が大きい。*1しかし現在の開発の状況は正直芳しくない*2し、派生プロジェクトも小手先の改造に終始している感が否めない。

つーか今から新規に Wiki を使い始めるなら PukiWiki である必要は全然ないんで。「PukiWiki がスタンダード」だなんてデマに騙されずにあれこれ試してみればいいし、自分で設置して動かすのが面倒くさいなら livedoor Wiki とか使う方が「ユーザー」的には正しい選択だと思う。すでに大量の資産ができちゃったのでわたしゃ他の Wiki に移ろうって気もなくなっちゃってるけども。

※ 遅い遅いっていうのはもしかして localhost で動かしてるのかな。だとすると結構重いはず。デフォルトの関連ページだのなんだの重たくなる機能をすべて取っ払って別な機械でサーバ立てて動かせばかなり軽く動くと思う。少なくとも検索さえしなければ。Apache2 + mod_php なら Windows でもそれなりに軽い。でもまぁ、編集してる文書の倍近いデータを毎回転送するとか、問題はあちこちにあるんだけど。

日本語が安心して使えて導入が楽ちんでオープンソースなエンタープライズ Wiki みたいなものがあればいいのかな。まださすがにちょっとそういうのは難しいよね。

あと個人的には Web デベロッパ界隈に「Wiki の開発が流行らなくなってしまった感」があるのがまずいような気もする。本当は設計がきれいで拡張しやすいとか、逆に他の CMS やアプリに組み込みやすい Wiki ってのを作る余地はまだまだあると思うんだけど、そういう方向は「DB からちょこっとデータ取ってきて Ajax でサクっと編集」とか「Feed を加工してマッシュアップ」みたいなものと違って今は流行らないんだよね。なんか今から Web アプリ発表するなら prototype の一つも使って Web 2.0 風のエフェクト掛けておかなきゃ、みたいな訳の分からない強迫観念があるんじゃなかろうか。

Tags: Wiki PukiWiki

*1 もっとも、自分も PukiWiki を一度改造しまくったおかげで PHP での処理の問題点を山ほど勉強させてもらったわけだけど。

*2 カンファレンスや雑誌、書籍に名前や人は出てくるが、コードを commit できる人、したいと思う人がほとんど出てこなくなったし、プロジェクト代表はドメイン管理もそっちのけで Rails と Ajax に夢中。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ heno (2006-12-16 00:35)

XHTML 1.1をターゲットにしていたり(当時)YukiWikiに比べいかした外観と(素のPerl CGIと比較した)軽さを持っていたりした一方で、結果的に「サクッとどうにかする」一辺倒で冗長な増築を重ねてしまい、「根拠を集約する(=見直す)」習慣がほとんど身につかず、洗練されたコードとドキュメントが結実しないまま推移していた のではないか と思いますから、今のWeb 2.0風プロジェクトとの違いは無いかもしれません。<br><br>今PukiWikiに求められているのは、風呂敷を畳む事だと思っています。後は、中央にポッカリと開いている概念の穴を埋めるための知識をまとめる事だと思います。ただ、こうした(比較的ハードな)事をまったり続けられる暇人というのは、どうしても限られて来るでしょう。もう何枚か壁をぶち破っておかないと、今まで無かった方向の相互作用なんて絶対に生まれないと思いますから、今は鶏と卵を同時に scrap and build している時期にあたると思っています。<br><br>Wikiの開発に興味を持っている方には、できればWikiWayあたりで基礎を、WikiMatrix.orgあたりで様々なWikiの概念と実装に触れていただいて、セキュリティホールmemoあたりを日々購読して、cvsかsubversionに慣れて、我々の未来に何が欲しいかをいつも考えて欲しいですね :)<br><br>そういう最近の私はspamのない静かな世界を取り戻したいです :D

_ wtnabe (2006-12-16 10:39)

なるほど言われれば当時の勢いと今の Web 2.0系の勢いは近いものがあるかもしれません。話題になるのが表層部分だということも含めて。<br><br>風呂敷をたたむということが本当に PukiWiki に求められていることなのかというのは自分には判断できかねますが、恐らく PukiWiki との関わりが比較的長い、あるい古い人の中にはそう思っている人は少なからず居るような気はします。少なくとも自分は該当します。PukiWiki で欲張りすぎたってしょうがないじゃないかと言いますか。<br><br>中央の概念の穴というのは PukiWiki の、とりあえずコード上に書かれているポリシーというようなものでしょうか。ちょっとよく分かりませんが。例えばこれこれこういう実装になっているのでこの機能はほぼ無理、とか。<br><br>そうではなくて Wiki そのもの、あるいは Wiki のようなシンプルに作り始めることができるが奥深く工夫できる Web アプリを作っていく過程で必要になってくる概念のことであれば、自分が wiki-study ML に期待していたのはそういうものだったかもしれません。Wiki のプロセスを自然言語と図によって丁寧に追って行けば、例えばこの部分だけ独立したオブジェクトにしておくとこっちでも再利用しやすいなんてことが分かりやすくなるのではないか、とは思っています。特定の Wiki の実装によらずにそういう話題を展開できる場所はほしいですね。ただ、Wiki 開発者の方々が自分よりどの程度先に行っちゃってるのか、あるいはそうでもないのかということがさっぱり読めないので、場があっても話を振りにくいという個人的な問題はありますが。

_ heno (2006-12-21 00:42)

表面のちょっと内側に 概念の穴 があると思います。<br><br>これは "認識がなるべく正確となるように補正しない" 行動習慣を結果的に身につけてしまいがちであるがゆえに、各自が厄介事に陥りがちになっている状況を指したつもりでした。埋められるものなら、一気に埋めるのが一番です。<br><br>例えば:<br><br>- 情報の構成 -- 結果や知識を、一つづつ根拠を示しながら積み重ねるという意識 (第三者の信頼を得るものを得たいのならば)<br>- Wikiについて -- ページの構成・題名・見出しの構成・内容の順番といった構成をダイナミックに(かつ、いかした感じに)変化させる事ができるかどうか (待ち受け型ではなく、過去を喪失することでもなく)<br>- 土台としてのPukiWiki -- 強みと弱みは何であるのか (例えば PHP4/5 両対応で、インストールが簡単すぎるのは、ユーザー層の広さを考えると強烈。あちこち仕様が未完成であるのは放って置くと致命的・・・)<br>- ソフトウェア開発 -- 拙速の積み重ね(クイックハックや類似プラグイン作成)だけに満足せず、根拠のある洗練された宝石を(フィードバックして)全員で共有する、というサイクルの意識 (日本やあなたの身近な人々だけに限らない)<br>- 運用 -- プロジェクトの、開発の、サイト運用の、ユーザーの運用の、製品の無用な負荷を下げる事について<br>- 原点 -- 本来のWikiコミュニティや、社会との相互作用を高める事について<br><br>私がそうできているかは不明ですし、とりあえずは行動で語る日々ですが・・・口うるさいし頭が硬いし進行が遅いと評判です :)<br><br>奥深いWebアプリケーションはPukiWiki 1.4シリーズではありませんが、誰かが作るでしょう。(私としてはもっと柔軟なWebが欲しい。人によってはPloneあたりで結実しているかもしれませんが)<br><br>場があっても話が振りにくいというのであれば、きっとそこにも概念の(=共通認識に)穴があるし、埋める習慣が無いか足りないのでしょう。

_ wtnabe (2006-12-21 10:21)

すいません、それらの知識をまとめることは PukiWiki に求められていることなのでしょうか? 違いますよね。あるいは PukiWiki の、開発者が共有すべき知見、公式サイト参加者が共有すべき知見、などに整理することはできるかもしれませんが、PukiWiki に求められているかというとやはり違うような気がします。幅が広すぎて「知識をまとめる」の直前に書かれている「風呂敷を畳む」とも矛盾しますし。<br><br>個人の目標、課題として挙げられたのであれば自分も必要性を感じますけど。