Wiki だけで解決しようとしない方がいいと思う

sheepman さんが Ruby のドキュメントに関して Wiki そのものにある編集に対する心理的ハードルに注目している。これについては以前からいろんな人が

  • 編集したくなるメニューデザイン
  • 署名

などの角度から議論をしている。まだそうした先人の知見を自分の中で整理しきれているわけではないけど、それらとはまた異なるアプローチでハードルを低くできないだろうかと考えたりする。

Wiki を編集するまでに乗り越えるハードル

個人の Wiki でさえ編集することが躊躇されるんだから、Ruby の公式リファレンスマニュアル_の編集するまでに乗り越えるハードルはやっぱり高いんだろうか。どうやったら人が集まるだろう。

まず、Wiki なんだから編集すればいいというスタンスはなかなか分かってもらえないと思う。私のようにコミュニティの外様の場合はやはりかなり躊躇する。知らない人の Wiki に手を出せるのはせいぜい typo 修正止まりだと思う。1(逆引きRuby では正規表現マッチのところに手を出したけど。)

そういう意味でも先日書いていた編集権限と commit 権限を分離した Wiki があるといいなぁと思っている。小人も自由に書けるが、正式に承認されたバージョンに反映されるかどうかは committer の裁定に委ねてしまうことができる Wiki。つまり書き手の立場がいきなり core member と対等になってしまうのはビビるので、一段下にしてください、という寸法だ。もちろんこれは committer の負荷が上がるので運営側としては採用に躊躇する面があると思うけど、参加者を増やすという意味では悪くない案だと思う。

もう一つは、いろんな人が手を出してちまちま編集していることを分かりやすくて提示できたらよいと思う。例えば RuWiki のような保存の際にコメントを書ける Wiki であれば、ここに書くコメントで「編集行程の雰囲気」を伝えることができるのではないかと思う。もちろん本来はどのような修正が加わったのかが分かりやすく書かれていることが前提なんだけど、例えばここに「ぐはぁ、typo ハッケソorz」と書いてあったら、編集者のフランクな性格を表すことができると思う。2また先の編集と commit の区別があればこのコメントはもう少し書きやすいのではないだろうか。

可能なら、Wiki committer が ML でやりとりしている様子や、blog なんかも読めるといいのかなぁ。欲張り過ぎはよくないのでどういう風にサイト上に盛り込むかというのはとても難しい問題だけど。ちなみに pukiwiki.org ではこれが全部 Wiki 上で行われているので、参加の敷居は確かに低くなったが追っかけのコストがとても高いサイトになってしまっている。うまく間を取れればいいなと思う。

ただ、本家リファレンスマニュアルはどうしたって参加者は増えにくいと思う。よほど Ruby に自信がなきゃ書けませんよ、やっぱり。少なくとも私は書きたくありません。怖いです。

  1. 中に入ればいいじゃんという指摘は当然あると思うけど、自分が何らかのアクションを継続するためにこのスタンスが自分には合っているので、あまり深くコミュニティに commit したくないというのが正直な感想なのだ。たぶん張り切りすぎてすり切れてしまうだろうと容易に想像がついてしまうし。 

  2. 現実にフランクかどうか、そもそも修正点が分からないからダメ、という指摘はとりあえずここでは置いておく。 

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