進むも戻るも茨の道

最近ゆとり教育反対の blog が多いように見えますが、本当のところはどうなんでしょうね。とりあえずおおざっぱに feedback とかからたどった限りでは

  • ゆとり教育なんか要らんからまともな授業をさせろ(教師側)
  • ゆとり教育なんかよりちゃんとした勉強した方がいいんじゃない?(外野)
  • ゆとり教育ってちょっと前に始まったばっかなのにもうやめるの?(外野)
  • ゆとり教育って学力低下したからやめるらしいよ(外野)

な感じ。乱暴に言うと

  • 週5日制と総合的学習の導入とそれにともなう教科書の内容削減がゆとり教育であるという認識

に基づいている人の方が多いように見える。そして

  • だから学力は低下して当然と思っている
  • なのにそこで新たに導入される総合的学習に対する理解は全然ない
    • つーかそんなわけの分からんもんやるから学力が落ちるんじゃボケって感じ

とくるわけだ。(現場の先生には総合のハードさはいやというほど理解されているだろうけど、効果なんてまだ誰も分からないしね。)

まぁ、基本的に報道に出てくる情報ってこれだけだから、こういう形に世論が操作されてしまうのは当然なんだけど、みんないつもそんなに報道信じてるのかなぁ。例えば政治の話や経済の話のとき、ニュース報道だけで全部語られてると思ってる? 思ってないよね? 思ってたら相当めでたいよ? 技術ネタとかで間違ったこと書きまくりなの、理系の人たちはとっくに知ってるよね?

だったらなんで教育ネタは報道を鵜呑みにしてんのよ?

もう一つ。ずいぶん前から学校の勉強は社会で役に立たないとワレワレ一般市民や経済関係の人は批判してませんでしたか? みんなそれ忘れてますか? そのときは机に向かう勉強じゃダメだってゆってなかったか? まぁ、百歩譲って言ってなかったとしよう。

この先も絶対ゆーなよ?

と子どもみたいなことを思ってしまう。

要するにどっちに転んでも好き勝手に文句言ってるだけやん。机に向かう学習が実社会、実生活で役に立たないとか、知識は持ってるが応用は効かない学生ばっかとか、そういう過去の反省があるから総合的学習なんやろーが。そんで総合で頑張ろうとしたら学力低下でやめろてかい。ええかげんにせえよと。しかもこれで見直して教科書の内容をまた増やしますなんてことになったら

教科書の内容を減らすときと変わらない悲惨な状況が絶対生まれる

と断言しよう。総合を全面廃止して速攻元に戻すならあるいは可能かもしれない。今なら過去の資産を掘り起こせばなんとかなるだろう。でも実際には

微妙に増やす

はずだ。あー悲惨だね。絶対悲惨。そもそも減らすときだって体系を考えてざっくりまとめて一分野減らすべきだったのに、教科書で扱わなくなるとその分野の専門家の存在価値がなくなってしまうから、それができなくて虫食い削減した(妄想100%)わけで、また増やすとなったときには自分の専門分野により多くの時間を割かせたい専門家同士の骨肉の争いになりますよ。なりますね。例えば四角形の専門家が三角形の専門家をこてんぱんにけなすような事態になります。もちろんなりますとも。円周率の専門家はここぞとばかりに「小学校で円周率は少数第30位まで暗記させよう」って言うね!1

結局、「ゆとり教育2」は進むも戻るも茨の道なのよ。

というか、社会の要請、時代の変化ってものがある限り、教育ってのは必ず茨の道なわけよ。昔のある時点での方法がそのまま今もこれからも通用し続けるなんてことはあり得ないわけ。3だってどんどん社会も文化も変わってるんだから。単に昔の方法の方がよかったなんてことを言うやつに対してはこう言おう。

  • 寝言は寝て言え
  • 寝てないならちゃんとその目で今を見ろ
  1. でも10桁までらしい http://www.f7.dion.ne.jp/~moorend/news/2005020901.html 

  2. もうあえてこの言葉をそのまま使うけど 

  3. 特に学校という集団を前提に考えた場合は。これが家庭内での一対一の教育とかであればまた話は別。 

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