今さら『ウェブログの心理学』
面白かった。全体的にさらさら読める学術書であり、各章で角度が違うので、興味のある部分だけを読み込むっていう読み方でもよいと思う。
個人的にはたださんも触れていた第2章の歴史が面白かった。テキストサイトやアンテナなどの言葉が実は苦手だったのだけれど、分かりやすく書かれていた。コミュニティの当事者の定義付け議論がやかましかった時期を通り過ぎ、これからが面白い時代なんだな、という思いを強くした。
しかし最近 blog や Web 上に何か書くということに足を踏み入れた人にとっては面白いのかな。年寄りがまたなんか言ってる的な感じに受け取られてしまうんだろうか。まーでも知っておいて損はないと思う。「人間て進歩ねーな」って気持ちになるだけで、恐らく今抱えているコミュニケーション上の悩みや flame による疲れが少しは和らぐ。ような気がする。
またこの辺を読んでいて、人間てのはいつもコミュニケーションツールに飢えていて、新しい物はぶわっと火がついてブームになり、そしてテクノロジーの進化や規制などによって世代交代がくり返されているんだなぁ、なんてところに勝手に考えが飛躍してしまった。例えば昔は留守電のメッセージが残っているかどうかに一喜一憂してたし、応答メッセージにやたら凝ってみたりした。自分は伝言ダイヤルとかポケベルとかはすっ飛ばしてしまっているけど、携帯電話、そして携帯のメールと、依存性の高いコミュニケーションツールは相変わらず話題の中心である。
ただこれらは誰か自分以外の相手とコミュニケートするためのツールであるところが、この本の言うウェブログとは違う。ウェブログの持続性はそれが自分に対しても発せられ、振り返ることを可能にしている点にあるってことはまぁ、読めば詳しく書いてあるのでその辺は各自ご自由に。個人的には図が見にくくてしんどかったけど。