Ctrl キーは大事だ
Space Saver II のキータッチがダメだダメだと思っていたが、その理由がはっきりした。
このキーボードはキートップとベースの接合部分がお互いに筒状になっていて、キートップのぐらつきを抑える形状になっているが、このおかげで斜めに力が加わったときに満足に押し下げることができないくらいの摩擦が生じる。これが筒が丸かったらまだマシだったのかもしれないが、残念ながら Space Saver II では角形なのでこの点は絶望的。材質的にもしなやかに摩擦を受け流すことができるとは到底思えない。
しかし普通はキートップに対してそれほど斜めに力が加わることはない。私もそう思う。そもそもキートップって指の大きさぴったりくらいで斜めに力を加える余地がない。では大きめのキーはどうか。大きめのキーにはあらかじめ斜めに力が加わってもその力を平均化するためのバーが入っている。このおかげで大きめのキーはどこに力を加えてても引っかかることなく押し下げることができるようになっている。スペースしかりエンターしかり、シフトしかり。
ではどのキーで問題が起きるのか。ずばり CapsLock キーである。このキーは比較的大きい(それにしても若干なのだが)にも関わらず、バーが入っていない。まぁ普通は CapsLock キーなんてめったに押さないので影響はないのだが、Emacs 使いには致命的である。
Emacs 使いは Ctrl キーを多用する。まぁ Windows 使いでも少々ショートカットを覚えた人はそこそこ使っているかもしれない。しかし Emacs を使う場合は比較にならないくらいに Ctrl を使用する。何をするにもまず Ctrl ありきくらいの勢いである。しかし PC/AT の標準のキーボードでは Ctrl キーはいちばん左下に配置されているのですこぶる使いにくい。そこで普段まったく利用機会のない CapsLock と入れ替えて使う。 そしてその最も多用するキーバインドの一つに C-a がある。これはデフォルトでは行頭に戻ることを意味するものだが、この操作を左手だけで行おうとするとどうしても Ctrl(元は CapsLock)は端っこを押さざるを得ないのである。
これが Space Saver がダメだと痛感する最大の理由だ。
痛い。痛すぎる。この設計はどうにかならんか。