2004-11-02

ゲーマー世代の若者といかに付き合うか

from CNET Japan

いっとき Web 上でぷち流行した世代論の続編的なものかな?

自分はバッチリこのゲーマー世代の分水嶺にいるんだけど、これは日本の話じゃないし、日本というか自分ローカルの話をさせてもらうと、

1970年代生まれの前半と後半にも割と大きな溝がある気がする。

なんてゆーかな、70年代前半生まれまでは良し悪しは別にして体育会系的な先輩後輩関係、奢り奢られドロドロとした和を形成していくプロセス、ってのは通用したと思う。でもちょうどうちらの世代に「それはあまりいいことじゃないな」「いい場合もあるけどそうじゃない場合も多々あるな」という意識が芽生え始めて、その下になると「面倒くさいこと強制しないでよ」という意識に変わると思う。

例えば飲み会でとりあえずの挨拶としての酌がある。自分は酒飲みとして酌はきらい1だし、飲み会で出てくるぬるいビールもまったく好きじゃない。しかし挨拶の酌だけは別モノと考えている。何も「下の人間は何がなんでも挨拶回りしてこなきゃいけない」とは考えてない(所属するグループによる)が、とりあえず挨拶としての酌はどんな酒でも断らないし、そこからしばらくはたいがいどんな話題でも話はする。だってそれが挨拶だものと思っているから。

でもね。若い人にはこれ通用しないのよね。なんつーの、マシャ的に言えば昭和型の人間のぼやきなんだろうけどさ。

飲み会の例は分かりやすいから出しただけで、別に酒を飲む飲まないは関係ないんだよね。もちろん若者の飲酒量が減ってるってのは事実としてあるけども、もっと深いメンタリティの部分なわけ。

自分は他人に興味ないB型だ。でもさ、それでも日常一緒に居る人間のことくらいは分かっておいて損はないじゃん。例えば何が好きとか何がきらいとか。きらいなことはできるだけこっちが避けておけばトラブルも起きないしさ。だからある程度コミュニケーションて大事じゃないですか。でもさ、なんかこう若い人ってきっかけつかませてくれないのよ。分かる?このもどかしさ。きっかけって大事じゃない。自分にとってタイトルに挙げた「いかにつきあうか」って、まさにこの部分の難しさなんだよね。

  1. 自分のペースで自分の好きな酒を飲ませろ、と強く思う。相手の盃なんか見てないでもっと自分が楽しめよ、と非常に強く思う。 

セキュリティ研究者とそうでない人との間の溝

開発者のプライドか、それとも「脆弱性」のネガティブイメージの影響か (高木浩光@茨城県つくば市 の日記)

一言で言うと文化が違うというか。高木さんですらまだセキュリティ技術者、研究者の指摘が世間的にどういう風に受け取られるかよく分かっていない例だと思う。

簡単に言うと、RFC などの規格に厳密に作るという姿勢はごく最近の動きなんですな。1けっこうこの辺の細かい部分は「現物合わせ」な作り方の方が主流なんじゃないかと思います。もちろんそれを是としているわけじゃないけど、とりあえず現状認識としてそこからスタートしなきゃいけないんじゃないかと。話を広げて申し訳ないが、インターネット普及以後の、標準準拠を重視し、閾値チェックなどの基本的なセキュリティ対策を施す、という作りはやっぱりアプリケーション開発の歴史の中ではごく最近の話でしょ。つまり、まだまだこれから浸透させなければいけない文化であって、例えばメーラ、Web ブラウザ、サーバなどのアプリ開発者がすべからくこの文化の中に居るなんてことは到底考えられないわけ。もちろんそのことはきっと高木さんなんかは総論として分かっているんだろうけど、1対1で相対するときにそのことが頭の中で確固たる位置にあるかというと疑問だなってことなのです。

でも、従うものがあるときは従うべきというのは開発者ならどこかで分かると思うんですよ。例えば Windows アプリを作るときに Windows のルールから外れてたらまともに動くわけないんだから、Windows のルールはまぁ普通守るでしょ。トリッキーな作りの方が好きっていう人を除けばその方がテストも楽だし、悩むポイントが減る。同じように、これこれこういう仕様に従っておいた方が何かと楽であるという認識に至らせてしまえばよいのですよ。あぁ、仕様に合わせておいた方がセキュリティも含めごちゃごちゃした問題で悩まなくて済むようになるな、と。

だけどこれまでの「セキュリティ問題の指摘」という文脈には「異なる文化の人間と相対していて、相手を自分の文化の中に誘導する」という視点はまったくないと思う。簡単に言うと指摘する側に思いやりがないというか、あんたビジネスの経験まったくないでしょ?というくらいに言葉が冷静すぎて冷たくて、聞いててむかつくって感じ。この場合むかつくのは聞かされた担当者であり、例えば office の裁判記事を読む日経オヤジであり、標準厳守の文化にいなかった開発者なわけだ。問題は「開発者のプライド」じゃーないと思う。指摘する側が「対話の言葉」を持っていないってことじゃないかな。

技術屋の論争術は法廷で通用するか? (/.-j)

なんかを読んでも感じることだけど、正しいことを論理的に主張できても、どんだけ証拠が積みあがろうとも、それが相手に伝わるとは限らないわけ。そこんところの想像力が足りてない感じがするのです。

相手に伝えるために必要なのは資料じゃなくて「できる限り相手と近い視点」だと思います。

また、今回の高木さんやスラドでよく見る技術屋が陥りやすいのは、「相手に対して発しているはずの言葉が、資料や証拠に基づいているうちに、いつの間にか第三者向けの言葉になってしまっている」という現象じゃないでしょうか。それは相手への投げ掛けではなく、第三者が論理的に読み解いたときに納得できる資料になってしまっているのです。ハタから見ている分には「あぁこっちが正しいな」って分かるんだけど、たぶん当事者は「バカにしてんじゃねぇよ」という気持ちになると思うなぁ。で、そうなっちゃうと「勝ち負け」になっちゃうからもうダメなのですよ。それはもう説得としては失敗してる。

相手に「負けた」と思わせたら気持ちのよい説得とはほど遠い。セキュリティ研究者、および今後現れる「相手に問題を指摘しなければいけない立場」の人はまずこのことを肝に銘じるべきだと思う。

ACCS がなんで office氏の告訴に至ったか、47氏が警察と協力関係にあったはずなのになぜ逮捕に至ったか、おおいに疑問だったんだけど最近の一連の記事を見てなんとなく分かってきた気がする。一言で言うと使い古された言葉だけど、技術屋が人間を分かってない。

  1. ごく最近でない人はヲタです。セキュヲタ、標準ヲタ。例えば valid html + css ってのは最近でこそ blog を見習って SEO を考えると説明しやすくはなったけど、以前は何このヲタクとしか見られなかった。それと同じこと。 

「知的所有権」という言葉は人の心を奪う幻影である—その理由

from japan.linux.com

論点はシンプルだ。異なる法律を一緒くたに考えるなということだけである。でも振り返ると日本で知的所有権をごちゃ混ぜにした議論は見たことがないな。自分が目にしていないだけかもしれないけど。ビジネスの文脈でこういう言葉を目にする機会ってないから。でもこの所有ってのは財産の所有という意味であって、モノの所有という意味じゃないよね? 財産は無形物でも所有するものだから、そういう文脈で使っているのは間違いじゃないと思うんだけど。

ただ例えば日本では著作権は名前を変えるべきという話ならそれには賛同するなぁ。著作権は一般に copyright と言われるけどそれって複製権じゃん!というツッコミはあまり見ない。でも実際には著作者と、著作者と契約を交わした人だけが複製を印刷できるというのがもともとの意味でしょ、copyright って。で、著作者人格権が author's right に当たるのかな。{{fn "この辺はヨーロッパ大陸は author's right よりで北米大陸は copyright よりで、日本も伝統的には author's right よりだったけど最近 copyright よりという流れになっているらしい。"}}この段階でもう全然ベツモノ。著作物に関する法律群とか、もう少し正確な言葉にした方がいいんじゃないかな。そうすれば日本の著作権法が著作者ではなく、著作権管理団体やコンテンツ”流通”業者を保護するように機能しているという現実が見えやすくなるし、コンテンツの複製がすなわち禁止されているわけではないとか、デジタルコンテンツについて曖昧なままなんとなく規制が強くなってるとか、還流 CD どないやねんとか、考えやすくなるんじゃないかな。

Studying HTTP

いい資料を見つけたのでメモ。

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