2005-05-12

Wiki と tDiary テーマは合わないんじゃないか

tDiary テーマに対する不満

tDiary テーマはたくさんあって便利だけど、扱いにくいなぁと思うことがよくある。いちばん感じるのは短いページの場合、やたらと下に空白ができてかっこ悪いということだけど、それに次ぐのは「tDiary ではユーザーに対するナビゲーションと管理者向けのアクションに区別がない」という点である。これらはすべて adminmenu という HTML class の中に入ってしまう。しかし横一列1にすべてのメニューが並んでいて、果たして使いやすいだろうか?

Wiki で tDiary テーマを採用するとメニューが窮屈では?

まぁ tDiary の場合は編集系のメニューはほとんどなく、全部 adminmenu 扱いでも別にいいかなと思う程度なのだけれど、これが Wiki になると話は別である。圧倒的多数の ROM に対して編集系のメニューを絶えず表示し続けるのはいかがなものか? もちろんフラットに表示することで Wiki のオープンさを表明することはできると思う。メニューを分けないことで誰もがこのコンテンツを編集できるということを明示する効果はひょっとしたらあるかもしれない。しかし使いやすいとは言えないと思う。

例えば閲覧の利便性から言えば検索窓は常に分かりやすい場所にあってほしい。sidebar に plugin などで表示するのもアリっちゃアリだけど、そういうよく使いそうな機能こそ上にきててほしくない? というか tDiary テーマ互換でないサイトの場合は右上の方に検索窓があるのは割とフツーなので、やっぱりその辺に配置したくなる。しかし Wiki の多彩なメニューをひとまとめに表示している場合は、検索窓はでかすぎて扱いにくい。だからかどうかは知らないけど、多くの Wiki では検索するために

  1. 検索のメニューをたどる
  2. 検索窓だけのページを表示してキーワードを入力する

という2アクションを要求する。個人的にはこれはとてもいやだ。

もちろん使い勝手はその Wiki の性格(コンテンツ)にもよるので一概には言えないかもしれない。ならばどれだけカスタマイズしやすいかということもまた重要なのではないだろうか。

tDiary テーマ互換とデザインのカスタマイズ

具体的なカスタマイズの話をすると、PukiWiki はあまり凝った作りをしていなので skin に該当する PHP のファイルを力任せにいじっていけばどんなデザインや機能もまず実現可能である。例えば標準状態では一直線に並んでいるメニューを Firefox まとめサイトのように分離してしまうことも、作業そのものはホネだが、技術的にはそう難しくない話である。(むしろデザインの力と HTML と PHP が複雑な if 文を挟んで混在する skin ファイルをきちんと調整する根性が必要。)

しかし tDiary テーマ互換の場合はそうはいかない。あまり HTML の構造に手を加えてしまうと、200もあるテーマから選べるというメリットが消えてしまう。それに新しい HTML の class を追加して adminmenu と navigation を分離することはできるかもしれないが、アプリの方で adminmenu が一つしかないことを前提に作り込まれていれば、その修正作業量はかなりのものになってしまうだろう。

今まさに FreeStyle Wiki に accesskey を付ける、という作業でメニューのカスタマイズについて考えている。PukiWiki の場合はメニューは全部 skin に集約されているので、skin をどれだけカスタマイズしても本体には影響せず、アップデートへの追従もしやすい。しかし FreeStyle Wiki ではメニューの構成は本体の方に入っているのでカスタマイズしてしまうとアップデートしにくくなる。そこでうまい具合に本家に取り込んでもらおうとしているんだけど、そもそも tDiary テーマ互換の場合はメニューのカスタマイズの自由度ってそんなに高くないんだよなということを改めて思っている次第。

便利なんだけどね、tDiary テーマって。でも Wiki に向いているとは思えないんだよな。HTML 的にも class="day" とか入っておかしなことになっちゃうし。tDiary テーマ互換を謳わずに、ある程度有名で、なおかつ今のうちなら skin のカスタマイズが容易な PukiWiki 当たりで Wiki 向けの共通テンプレートが作れたら面白くなるんじゃないかなぁ。

PukiWiki はなぜ table レイアウトなのか

ただ PukiWiki は標準の skin が table レイアウトだから、その辺で CSS によるデザインがやりにくいと思われているのかもしれない。これは歴史的な経緯によるもので、CSS によるマルチカラムデザインに対応していない Netscape 4 などのブラウザでも MenuBar(tDiary で言う sidebar)がちゃんと表示されるようにという配慮からくるものである。当時 Reimy 氏は苦渋の決断と言っていたように記憶している。なぜ MenuBar にこだわったのかは記憶にないが、Wiki の場合は、特にページ数が増え、内容が多岐に渡った Wiki の場合は MenuBar があった方が確かに便利だなとは思う。そこでマルチカラムデザインを守るために table を採用したというわけだ。これなら w3m でも使い勝手が大きく変わらないし、実際使ってみて便利だなと思う。

しかしそれも含めて再検討してもよいんじゃないかと個人的には思っている。PukiWiki 1.4 以降は UA ごとに skin を細かく切り替えられるので、tty 用ブラウザは table レイアウトで、グラフィカルなブラウザの場合は CSS レイアウト、という具合に分けるのもアリだし、今さら Netscape 4 のことを考える必要は、少なくとも非商用プロダクトの場合はないと思う。2

まぁいちばんの問題は、例によって「じゃあお前が叩き台作れよ」と言われてもちゃんと作り上げる気力が自分にはないってことか。作るだけじゃなくて結構な量の議論をこなさないと標準的なテンプレートに育てることはできないしねぇ。

  1. かどうかは theme の作りによるけど 

  2. ただ難しいのは 1.3 系をどうするかだけど。PukiWiki は未だに 1.4 は開発版という位置づけなんだけど、これってどうなんだろ。そろそろ 1.3 から 1.4 への移行を促してもいいと思うんだけど。1.3 のことを考慮しながらの開発は結構きついんじゃないかなぁ。 

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